経済的な面からいえば帰化した方が有利だと思いますよ。
就職の幅が広がりますから。
でも、アイデンティティに関る問題ですから経済的な面だけで国籍云々というのは
難しいですね。
生活が苦しくても絶対に国籍は変えたくないという人もいるでしょう。
日本人だって米国での市民権を得た方がビザの再申請の度に日本に帰国する必要
もなく経済的には楽なのに日本国籍のままの人がいます。
私企業、特に財閥系企業には就職し難いというのは在日の方から聞いたことが
あります。ですから在日2世の方で就職して何年か後に帰化した人を数人知っています。
ご自分が就職で苦労をしたので子どもには苦労をさせたくないというのが理由です。
私企業の場合、表だって差別をしているとは言いませんが、実際に就職出来ている
のかどうかは長年の統計をとれば判りますし、理系の場合、企業と大学ゼミに密接
な関係がある場合も多く、そのような情報は入ってきます。
昭和37年の国会議事録では在日朝鮮人の就業率が8割から半分とされてますから
現在改善されているとはいえ、まだ就職となると差別の問題がクローズアップされて
くるんでしょう。(昭和39年03月25日 社会労働委員会)
他にもいくつか見つけたので載せておきます。
-------------------------------
昭和42年08月18日 法務委員会
○松本(善)委員 大臣、この十一月以後の帰国の問題ですけれども、これは当然
いわゆる積み残しというのが予想されるし、その問にまた新しく帰国希望者も当然
出てくるということが、十分いまから予想されるのは申し上げるまでもないのですけ
れども、在日朝鮮人の生活が、たとえば一九五八年には失業、半失業の率が在日
朝鮮人の八〇%以上を占めておる。それから、この状態というものはいまでもほとん
ど変わりありませんが、帰国をしました成年男子の六〇%以上が日本で失業または
半失業者であったわけです。いま失業者でなくても、いつ失業するかわからぬという
状態にある人がたくさんおります。金融、税制、就職、そういうような経済生活の面で
も、有形無形の差別を在日朝鮮人は受けておるわけであります。この在日朝鮮人の
帰国事業の継続ということは、日本で生活ができなくなる、どうするか、こういう問題
として存続をしている、そういうことの認識が政府のほうにないのじゃないかというふ
うに思うのです。だから、非常に場当たりになっているのじゃないかと思いますけれど
も、その点についての法務大臣の見解をお聞きしたいのです。在日朝鮮人の生活
と、それからこの帰国協定の問題についてです。
昭和54年03月20日 社会労働委員会
○草川委員 その点は私も、過日労働大臣の所信表明のときに、もし原資が不足し
た場合にもとの資金の方から流用ができるかどうかという質問をしておるわけです
が、ぜひそれは大胆に使えるようにし、またこの弾力条項ができる限り発令なしに、
せっかくためたものはそのまま使えるようにしていただきたい、こういうことをちょっと
申し上げたいわけなんです。
そこで私は、実はきょうは、雇用の問題あるいは雇用から離れた失業者の問題、さ
まざまな問題があるわけでございますが、私の選挙区のある在日韓国人から、雇用
の差別という問題を中心に非常に切々たる訴えの手紙が来ておるわけです。この方
は、第二次大戦の植民地時代に強制的に日本に連れてこられて、暗黒時代というの
でしょうか、非常に激しい虐待を受けて、戦後三十数年間、この方も二世、三世とい
う自分の子供をそれぞれ生みながら育ててみえたわけでございますが、永住権を持
ちながらも、実は学校を出ても就職するところがないという切々たる訴えが来ておる
わけでございます。また、明後日からは本委員会でも国民年金法改正の審議がござ
いますので、ひとつそちらの方にも私ども意見反映をしたいと思っておりますけれど
も、きょうは中心的には、日本におみえになります在日韓国人の方々の就職状況と
いうものが一体どうなっておるのかということを少し報告をしながら、ぜひこれは大臣
の見解をまず最初に賜りたい、こう思うわけであります。
いまいわゆる一世と言われる方々は大体三七%、二世、三世という方々は六二・
八%ぐらいにふえておるわけでございますし、それから毎年新規に高卒あるいは一
部大学卒業者もおるわけでございますが、そういう千人近い方々が新規労働力とし
て労働市場におみえになるわけでございますが、半数以上の方々はいわゆる在日
韓国人の組織体だとか会社のつてで就職をしてみえまして、いわゆる製造業、特に
有名企業、一部上場会社等にはほとんど皆無と言ってもいいわけでございます。か
つて有名な日立の問題がございまして、ずいぶん問題があったわけでございます
が、つい最近、団勢調査と言って居留民団の方々の国内の一斉調査が行われまし
た。その資料を見ますと、いま申し上げましたように製造業はほとんどない。十大業
種というのがございまして、パチンコが二三・八%、それから焼き肉が二三・四%、そ
れから古物商ですね、これは戦前からすごく人のいやがる仕事というふうに理解をし
た方がかえってわかりやすいと思うのですけれども、二〇・三%、土木建設が八・
六%、喫茶、スナックが八・六%と、現実に調査された方々も、差別撤廃が非常に必
要だ、改めて衝撃的な調査だというようなことを言われておみえになるわけでござい
ます。日本の勤労者の平均収入というものが一カ月約二十五、六万ぐらいになって
おりますけれども、在日韓国人の方々の所得というのは平均して十五、六万にしか
なってないという、非常に劣悪な条件になっておるわけでございますが、製造業に就
職が非常に少ない、一流企業にも少ない、そういう状況について、労働省として一体
どのように見ておみえになりますか。まず最初にお聞かせを願うわけであります。
-------------------------------
国が優遇しているというのは民間が冷たいってことなんだと思います。
本当は民間での差別がなくなるのが望ましいんですよね。