沖縄の豚で「あぐー」という品種のバラ肉が好きです。
以前、百貨店の生鮮食料品の担当マネジャーをしていたときに知りまして、
テレビのグルメ番組にもよく取り上げられていたので、ご存知の方も多いかも。
特に気に入っている部位がバラです。
豚のバラ肉というと、脂身だらけで苦手という方も多いと思いますが、この「あぐー豚」のバラ肉を初めて食べたときはかなり衝撃を受けました。
美味しい肉の定義のひとつとして「柔らかい」っていうのはかなり重要な要素で、鶏肉意外の肉の美味しさの定義としてはひとつの共通項ではないかと思います。赤身と脂身では脂身のほうが柔らかいというのは自明だと思うんです。
ところが、脂身は「くどい」というのが定説で、脂身の多いバラは苦手な方も多いんですよね。ところが、この「あぐー豚」の場合、その脂が非常にさっぱりししてるんです。
野菜と一緒に炒めてみると、これが実感できると思います。
まず先に肉を炒める。食用油は不要です。もの凄い量の脂が溶け出してきます。見た目はかなりくどそうに見えます。そこで、キャベツあたりがいいかな・・・刻んだ野菜を一緒に炒めてください。味は塩・こしょうを少々という程度の整え方でいいと思います。
脂まみれになった姿を見ると、ちょっと引いてしまうかもしれませんが、騙されたと思って一口食べてみてください。その脂がとってもアッサリしていて、尚且つ「甘い」という印象を受けると思います。
勿論、そのほかの部位も十分に美味しいんですが、さすがにお値段が張ります。バラがイチ押しというのには、そういう理由も含まれています。これからの秋から冬へと向かっていく季節ですと、やはり食卓で鍋物が多くなってくると思うのですが、豚しゃぶに最適ではないかと思います。無論、夏場は「豚冷しゃぶ」で、あっさりポン酢で、というのがお奨めです。