タイトルと裏表紙の解説に惹かれて衝動買いし、大学時代に読みました。
一言で言えば「アイデア倒れ」、小説の体をなしていないと思いました。
最初のアイデアは奇抜でインパクトがあり、最初の解説を読んだだけでも、光るものを感じました。
あの理不尽すぎる世界観をホラー要素としてうまく活かせば、
「バトル・ロワイアル」のように、かなり面白いストーリーが書けたのではないかと思ったのですが、
残念ながら登場人物の肉付けの薄っぺらさや、魅力のなさすぎる主人公、
無理がありすぎる設定、何の意外性もない(ある意味意外すぎる)ストーリー展開、
そして何より致命的なのが稚拙すぎる文章で、
せっかくのアイデアを殺してしまっていると感じました。
小説としては、今まで読んだ中で最低の小説です。
しかし小説と思わずネタ本として読めば、それなりに楽しめます。
友人に貸したら、こんな面白い本は見たことがない、ツッコミどころ満載すぎる!と、ばかウケでした。
私もそういう意味では大変面白く読みましたので、買ってしまったことを後悔はしていません。
私は大学時代に読みましたが、深みのある上手な文章に触れた経験のまだ少ない子供には、
読んで欲しくないです。もっといい本をたくさん読んだ後に、友達とツッコミながら楽しく読んで欲しい本です。
あの作品が一部の子供達に大変人気があると後で知り、心配になりました。
29歳です。