勝負は時の運。短期決戦では特にそれが顕著です。
確かに星野氏は、「気持ち」で戦うタイプの監督です。
チームワークと信頼感を重視した選手起用が多いのは事実です。
今季、絶不調の上原を選出したことがそれを象徴していますね。
準決勝の岩瀬にしても、3位決定戦のGGにしても、予選で米国に
打たれたことへのリベンジ、準決勝での凡ミスへのリベンジ機会を
設けたものでしょう。
それが、たまたま両方とも裏目に出てしまった。
それに尽きると思います。
我々日本人は、そういう温情采配が好きなんではなかったでしたっけ?
これで結果が出れば、「さすが星野、選手を信頼して任せる男気に泣けた!」
とかって言う賞賛の嵐になったはずです。
事実、他の方がWBCのことをあげていますが、WBCで活躍した福留は当時絶不調で
スタメンを外れていたのです。
それが、代打で起用され、たまたま結果を残した。
王さんが、「スイングを見てれば必ず結果が出るはずと信頼していた」という
趣旨のコメントを出しましたが、我々日本人はそれに感動を覚えたはずです。
ペナントでやっと復帰したけど結果は出ず、予選でも散々な成績の
リ・スンヨプが勝ち越し2ランを放ったり、ソフトボールにしても、
予選、決勝トーナメント計9試合で21打数ノーヒットと不振を極めていた
三科が先取点のきっかけとなるツーベースヒットをはなったりする訳です。
野球はチームがきちんと機能しなければ勝てないスポーツです。
WBCでの米国や4番打者(強打者)を並べた巨人が優勝できないのを見れば
それは一目瞭然でしょ。
スポーツは結果が全てと言ってしまえば身も蓋もありませんが、
星野氏は選手を信じて、そのリベンジに賭けた采配をした訳です。
アジア予選の時の岩瀬の活躍、ペナントでのGGの成績を見れば、
いつリベンジしてもおかしくないと期待することに、どんな罪があるのでしょう?
強いて敗因を挙げるとすると、「選手を信頼していたから勝てた」とか
「お涙頂戴ストーリー」に感動する我々の特質にあるのかも知れませんね。