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特許におけるパススルー契約について教えてください。

たとえば、携帯電話関連で多数の基本特許を持つクアルコムは、携帯電話自体を作っているのではなく、携帯電話に使われるチップを製造し、チップを特許ロイヤルティ込みで、携帯電話メーカーに販売しています。物自体の利益(販売価格-(製造コスト+材料費))と、特許収入のダブルで収入が上がります。

一方、携帯電話メーカーは、クアルコム製のチップは少々高いが、特許を取得された技術を使わざるを得ず、仕方なくクアルコム製のチップを購入して携帯電話を製造するとのこと。

ここで、クアルコムはパススルー契約を結んでいると聞いたのですが、具体的にはどのような契約を意味するのでしょうか。

  • 質問者:Q
  • 質問日時:2008-09-22 16:53:29
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ここでいうパススルー契約とは、パススルー権を認めないライセンス契約のことと思います。
Qualcomm社の特許戦略の一例として、テキサスインスツルメント(TI)社とクロスライセンスを結んでいますが、その際にTI社の実施は認めるがTI社の顧客に対するパススルー権は認めない旨を契約中に明文化しています。その結果、Q社から認可を受ているライセンシー(TI社)から正当に購入したにもかかわらず、Q社特許に関する権利が消尽しないという事態が生じます。
事例としては、Q社とのライセンス契約が切れたNOKIA社がTI社から購入した事に関して2007年にドイツ及びオランダで裁判が行われNOKIA社が特許消尽を主張したがどちらの国でもNOKIA社の申し立てが棄却されています。

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ありがとうございます。

つまり、ある会社(X社)は、TI社から買ったにもかかわらず、Q社と契約していなければ、Q社はX社に対し権利行使できるということですね。

消尽問題、独禁法の観点からも、このパススルー契約は気になるところです。

例えば、
 クアルコム製チップ=5,000円
 チップのロイヤリティ=1,000円
 チップ以外の携帯代=25,000円
と仮定します。

一般的な方式
 携帯メーカーはクアルコムからチップを5,000円+1,000円=6,000円で購入する。
 携帯電話を25,000円+6,000円=31,000円で販売する。

パススルー方式
 携帯メーカーはクアルコムからチップを5.000円で購入する。
 携帯電話を25,000円+5,000円+1,000円=31,000円で販売する。
 携帯メーカーはクアルコムに携帯の売り上げ台数×1,000円を支払う。

おそらくこういった感じだと思います。
チップのロイヤリティを仕入れる時に支払うのではなく、携帯が売れた時に支払います。
これにより、在庫を抱えた時の携帯メーカーのダメージが少なくてすみます。
クアルコムも本当に利用されている分だけの特許料を得る事ができます。

  • 回答者:Sooda! ちゃん (質問から2時間後)
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参考になりました。回答ありがとうございました。

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