今日の新型インフルエンザは弱毒性と言われるがそれが強毒性に変異することはありますか。|質問・相談が会員登録不要のQ&AサイトSooda!(ソーダ)

可能性は十分にあります。

１９１８から１９年に大流行したスペイン風邪も、最初アメリカで発生したときはそれほど毒性は強くなかったことが判っています。由来は、トリ由来でそれがヒト型に変異したということになっていて、今回は、トリ型、ブタ型、ヒト型の混じった遺伝子型だそうですが、ヒトからヒトに感染しながら変異を重ねていくと、より感染しやすく変異したものが速度を速めて感染拡大していくというストーリーは共通です。

北半球の中緯度地域の場合（日本を含む）、ちょうどこれから湿度が上がってインフルエンザウイルスにとって広がりにくい環境になるので、夏場はそれほど怖くないですが、その間に大きな被害を与えないながらもじわじわと感染を続けていくうちに、①呼吸器系の細胞にくっつきやすく変異し、②さらに、ウイルス表面タンパク質の性質のうち血球凝集性という赤血球を固める作用が強まったりすると、コワイ状況になりそうです。

そのような変異が起こってしまうと、冬に向けてウイルスが広まりやすくなったとき、単に咳や発熱だけでなく、肺炎を起こしやすい、腎臓機能を落とす、消化器機能を落とす、・・・など、重傷の症状を起こすウイルスに変わっている可能性があるからです。

そういう意味で、新型ではあるけれどもまだ病原性が低い今の状況で、ウイルスの広がりを小さくしておくことは、ウイルスの強毒化に向かうチャンスをつぶすという意味で重要なことです。強毒化しなければ、そのうち、みんなが一度は感染したという状況になって免疫を持ってしまうので、一般の季節性インフルエンザのひとつになって、普通の注意対象におさまってくれます。そのころは、ワクチンの対応もできているでしょうし。

ですから、ヒトからヒトへの感染を繰り返すということが変異にとって重要なので、その機会をどうにかして奪いたいというのが、医師、研究者のねらい所になっています。

私たちは、その活動に協力する意味で、他人からもらわないようにマスクをするだけでなく、自分がオカシイと思ったら他人にばらまかないようにマスクをする。手洗いをきちんとする。栄養をきちんと摂って、自分自身の免疫力を維持しておく、などの基本に注意して、ウイルスの強毒化阻止に協力すべきだと思っています。

回答者：ばんどうくま (質問から29分後)
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